グッドデザイン賞受賞!新しいデザインの製氷機 開発者インタビュー
多様化する食ビジネスに対応 見られる事を意識した新しいデザイン
受賞デザインが生まれたきっかけ
製氷機は飲料サービスや調理場での使用を中心に展開されてきました。スーパーマーケットでの持ち帰り食材の氷による保冷も大きな使用用途であり、生鮮食品やお弁当・お惣菜などの持ち帰り商品が傷まないよう、製氷機の設置が必須となっています。
これまでの製氷機は飲食店の厨房内で使用される事が基本で、コストと性能重視の外観になっており、目に触れる事を意識した外観ではありませんでした。最近は、オープンキッチンが増加しており、厨房機器にもデザイン性を求める傾向にある為、多様化する食ビジネスの中で製氷機も新しい展開に対応できる製品にできないかと考えたのが開発のきっかけです。
どんなデザインを目指したか
業務用製氷機は各社類似した機械的なデザインとなっていました。今回の製氷機はその類似性から脱却し、シリーズ全機を通して、シンプルで一目見ると当社製と分かる一貫したアイコン性を持ったデザインと性能の両立を目指しました。
各機種で出来る限り部品の共通化を行い、パネル外周隙間からの吸気口に加え、正面パネルに小口径パンチングメタルを設けて吸気量を確保することで性能を犠牲にせずに、デザイン性向上を図りました。開閉ハンドル、表示パネル、吸気スペースは凹凸の少ないシンプルで丁寧な作りとして、結果的に清掃性も高めました。また、業界初となるノンフロン冷媒を製氷機に採用し地球環境負荷低減にも配慮しました。
今後の目標
今回開発を行った製氷機は、微燃性ノンフロン冷媒R1234yfを採用した業界初の製氷機となります。R1234yfはオゾン層破壊係数(ODP)がゼロで地球温暖化係数(GWP)が1と地球環境への負荷が非常に少ない微燃性冷媒です。可燃性冷媒に比べて燃えにくい冷媒を採用することで安全性にも配慮しています。
お客様が安心・安全に使用いただけるように環境負荷低減を追求、デザイン性にも配慮したお客様のお役立ちに貢献できる製品開発を行っていきます。
新型製氷機の特長
- 見られる事を意識した新しいデザイン
製氷機は⾷の現場で必要不可⽋な機器ですが、これまでの製氷機は飲⾷店の厨房内で使⽤される事を基本にコスト/性能重視の機械的外観に設計されてきました。今後の⾷の多様化により、製氷機もこれまでに無い使い⽅が展開されると予測し、インテリア性の高い製氷機を開発しました。 - 業界初のグリーン冷媒採用
環境負荷軽減にも積極的に取り組み、業界初のグリーン冷媒R1234yfを採⽤しました。 R1234yfは、カーエアコンや自動販売機にも使用されている冷媒です。フロン排出抑制法の対象外なので、導入先での負担軽減にもつながります。 - デザインと清掃性の両立
正面パネルに小さな丸穴を複数個設け吸気量を確保し、デザイン性を損なわずに性能が維持されます。また、フィルターで機械室の横のラインを作り出し、デザイン性を高めながらも、機械室パネルを外すことなくフィルターの脱着が可能となりました。
グッドデザイン賞受賞のポイント
台下の厨房機器は利便性を求めるとお客様の目に付く配懺となることが多いが、これまでの製品はあまり見せたくないデザインばかりだった。本製品の意匠性の高い外観はそうしたネガティブな印象が排除され、店舗のレイアウトがより柔軟になる。通常、左右と後方の意匠は他の什器によって隠れてしまうのだが、本製品は単独配置もできる外観が形成されている。特にベンチレーションとその周辺のデザイン処理に企業の努力の跡を見ることができる。