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衛生管理

HACCP導入で大量調理現場はどう変わる?

HACCP導入で大量調理現場はどう変わる?

義務化が予定されているHACCPですが、導入が進んだ場合、病院や給食施設などの大量調理を行う現場はどのように変わるのでしょうか?

HACCP導入時に取り組むべきことと、HACCP導入によって調理現場にもたらされるメリットについてご紹介します。

HACCPのプランニングはあくまで現状の手順がベース

HACCPの導入が義務化された際、大量調理を行う調理場において最初に戸惑う点はおそらくプランニング(衛生計画)ではないでしょうか。

今まで取り組んだことがないため不安に感じられるかもしれませんが、プランニングとは何も無いところから新しい手順を作ることではありません。いつも自分たちが行っている手順をベースにしながら、HACCPの手順を組み込んでいくことがプランニングなのです。

「12手順」に沿って進めよう

では、プランニングはどのようなステップで実施していけばいいのでしょうか。

まず前提として、こうしたプランニングの作業には調理現場をよく知っている調理スタッフの積極的な参加が必要となります。プランニングは、調理スタッフ、現場責任者、施設長、衛生についての知識を有している専門家たちが協力して行うべきだからです。

プランニングは、下記の「12手順」に則って進めていきます。

 

  1. HACCPチームを編成する
    製造・調理工程を見つめ直すために必要な情報を収集するため、各部門から担当者を集めます。
  2. 食品の説明・記述
    製造品・調理品の安全について特徴を示すものを作ります。レシピや仕様書等、内容が十分であれば様式は問いません。
  3. 食品の使用方法の明確化
    食品の使用方法(加熱の有無等)と食品を誰に提供するのかを定義します。
  4. 調理工程一覧図、施設レイアウト、標準作業手順書(マニュアル)の作成
    材料の受け入れから製品の出荷もしくは食事提供までの流れを工程ごとに書き出します。
  5. 調理工程一覧図の現場確認
    調理工程一覧図ができたら、現場での人の動き、モノの動きを実際の現場で確認して、必要に応じて工程図を修正します。
  6. 危害分析の実施
    工程ごとに発生しうる危害要因を挙げて、どのように管理すればいいかを考えます。
  7. 重要管理点(CCP)の設定
    危害要因を除去・低減するために、特に重要な工程を決定します。
    (例)加熱殺菌や金属探知等
  8. 管理基準の設定
    危害分析で特定したCCPを適切に管理するための基準を設定します。(温度、時間、速度など)
  9. CCPのモニタリング方法の設定
    CCPが正しく管理されているかを適切な頻度で確認し、記録するためのしくみを整えます。
  10. 改善措置の設定
    モニタリングの結果、管理基準を超えている(管理基準に達していない)ときにどのような措置を行うかを決めます。
  11. 検証方法の設定
    HACCPプランに従って管理が行われているかを、どのような方法で検証・判断するかを決めます。
  12. 記録の維持・管理
    記録を残すことは、HACCPを実施した証拠になります。ルールを決めるだけでなく、継続して記録を残していくことこそが重要です。

一見難しく感じるかもしれませんが、実際は12の手順に沿って現在の工程を見つめ直す作業をおこなうだけなのです。

HACCP導入のメリットとは

大量調理を行う調理場において、HACCPを導入することにはたくさんのメリットがあります。

  • 食品の安全性が向上する
    予測できる危害原因物質を早期発見できる体制が作られるため、危害をできる限り小さく、低いレベルに押さえることができる
  • 効果的な衛生管理が徹底できる
    危害分析を行うことで、従来の勘や経験に頼った衛生管理ではなく、効果的な衛生管理の徹底が図れる
  • 組織全体の衛生管理に対する意識が向上する
    施設長や調理従事者が一体となって取り組むことにより、全員の衛生管理に対する意識や知識の向上が期待できる
  • 正しい衛生管理の方法を組織全体に浸透させられる
    これまで、それぞれの調理従事者が経験的に確立してきた衛生管理方法を科学的に裏付け、わかりやすいマニュアルを作ることで組織全員に浸透させることができる

たくさんの調理スタッフがいる大規模な施設であればあるほど、運用ルールを統一できるHACCPの導入がもたらすメリットは大きくなるのです。

運用・継続が大事

HACCPは導入しただけで何かが変わる魔法の杖などではなく、導入を決めたそのときから、組織全体で協力して自分たちで作り上げていくものです。

もちろん、プランニングが上手くいっても、運用が継続されないとHACCPは意味をなしません。これは、一般的に仕事を進める上でのポイントと言われる「PDCAサイクル」と同じです。計画を実行するだけでなく、その後検証・評価して、検証結果をもとに次のアクションを行うことが重要になります。

ご紹介した12手順の最後の項目でも触れられている通り、HACCPの核になるのは「記録を残すこと」です。自分たちで決めたルールや管理方法に従って、検証・確認をした証拠をしっかり残さないといけません。また、ルールに誤りや無理のある点がないか、記録さえ残せばよいと惰性的になっていないか等を定期的に検証・改善することも、安全なHACCP運用を継続していくために大事な要素となります。

 

システムの導入で減らせる負担がある お困りの際はフクシマガリレイへ相談を

とはいえ、HACCPを導入して日々の業務が増えることは、調理場スタッフにとって負担にもなりえます。人手が足りない中で、スタッフの負担をできるだけ増やさずにHACCPを運用したいときは、専門的なシステムやコンサルティングを活用することで解決できることがあります。お困りのときは、いつでもフクシマガリレイにお問い合わせください。


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