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食品に合わせた凍結方法

食品に合わせた凍結方法

コロナ禍以降、家で食事を食べる中食(なかしょく)・内食(うちしょく)需要が高まるなか、冷凍食品市場が広がっています。そんな需要に対応するため、冷凍について調べている方も多いのではないでしょうか?
今回は食品や用途に合わせた「凍結方法」についてご紹介します。

冷凍食品とは

冷凍食品発展のきっかけは1964年の東京オリンピックでした。選手村で供給する食料が膨大で、一気に購入すると一般家庭にも影響を及ぼすことから、「多くの食材を確保して、効率良く食事を提供できるように」と冷凍食品の開発が進みました。
そんな“冷凍食品”には日本凍結食品協会が定めている4つの基準があります。

  1. 前処理している
  2. 急速凍結している
  3. 適切に包装されている
  4. 品温(食品の温度)-18℃以下で保管している

温度として定められている「-18℃」は、約1年間品質を維持でき、細菌の増殖、食品の酸化、酵素反応などの変化を抑制できるという観点から設定されています。

急速凍結で細胞へのダメージを減らす

凍結方法には“急速凍結”と“緩慢凍結”の2種類があります。
緩慢凍結は家庭用の冷蔵庫の冷凍室などで、ゆっくり凍結すること。急速凍結は専用のフリーザーやアルコール凍結機などを使用して素早く凍結することです。
急速凍結は細胞にダメージを与える氷結晶の生成温度帯を短時間で通過することで、食品組織へのダメージが極力抑えられ、食品のおいしさを保つことができます。

急速凍結には大きく3つの方法があります。

空気で冷やす エアブラスト方式

商品に冷風を効率的に当てて冷やします。このエアブラスト方式は、汎用性や生産性が高いことが特徴です。
厨房やセントラルキッチンには「ブラストチラー/ショックフリーザー」、大型の食品工場には「トンネルフリーザー」と呼ばれる機械が使用されています。

 

液体で冷やす ブライン方式

凍らない液体(不凍液)に食品を入れて凍結します。一般的に液体は空気よりも熱伝導率が高いので、効率よく凍結することが出来ます。
小型のリキッドフリーザーや、弊社でも扱いのある大型のLSHOCKと呼ばれるアルコール凍結装置が、その代表的なものです。
デメリットとしては、液体につける必要があるので、食品を包装する必要があります。また、凍結後には不凍液のふき取りなどの作業が必要です。

 

液体窒素で冷やす

液体窒素は-196℃で沸騰して気化します。気体になった液体窒素を食品に吹き付けると、食品を急速に凍結させることができます。この凍結速度はエアブラスト方式やブライン方式に比べても非常に早く、食品の細胞破壊を最小限に抑えることが出来ます。
ただし、液体窒素は高価なので、ランニングコストが非常に高いのがデメリットです。

食材に合わせた凍結方法

食材の特徴に合わせた凍結方法についてご紹介します。

肉の凍結方法

肉は牛、豚、鶏、羊など種類が豊富ですが、数ある食材の中でも凍結保存がしやすく、おいしさを損ないにくい特徴があります。エアブラスト方式やブライン方式など、様々な凍結方式に対応可能です。
ただし、-30℃以下などの低温で表面が急速に凍結すると、表面が白く白濁して、お肉本来の赤身とは違う、薄いピンク色に見えることがあります。これは解凍すると元に戻るので品質への影響はないのですが、冷凍商品の外見を重視する場合は、白濁をしない温度で凍結するなど、凍結方法に調整が必要です。味はもちろん、商品の見た目も重要なポイントになりますので、商品のパッケージなどと合わせて凍結方法も検討してみてください。

 

魚の凍結方法

魚は、肉に比べて身がやわらかく、凍結による細胞組織へのダメージが大きいので、急速凍結で細胞組織へのダメージを最小にする必要があります。
エアブラスト方式で急速凍結することも多くありますが、非包装品だと多少の商品乾燥の懸念があります。そのため、真空包装品をブライン凍結する方法がおすすめです。また魚の脂質は酸化しやすいので真空包装をすることで、酸化防止対策にもなります。

 

野菜の凍結方法

野菜はホウレンソウなどの葉物野菜から、ジャガイモなどのイモ類、トマトなどの果菜など種類が豊富で、魚や肉以上に種類の違いによって特徴が大きく異なります。基本的に野菜は凍結することで本来の水分を維持する機能が失われ、細胞組織も弱い構造になってしまいます。凍結によるダメージで、パリパリ、シャキシャキとした食感が落ちてしまいやすい食品でもあり、凍結することが非常に難しいとされています。
一般的に市販されている凍結野菜の大半は下茹でされています。これは解凍時の色、食感の変化を出来る限り抑えるためです。例えば葉物野菜を凍結する際は、凍結前に短時間さっと下茹でし、水気をきってから凍結するのがおすすめです。
凍結方法は大量に処理することが可能な、エアブラスト方式が一般的です。野菜はそれぞれの特性や使用方法に合わせた、カットや下茹でなどの前工程が必要なので注意しましょう。

またその他の野菜で、もやしやキャベツなどのシャキシャキした食感が重要な野菜や、トマトやキュウリなどの水分の多い野菜は凍結には不向きです。ただし元の食感を求めず、加工用など調理活用方法によっては十分利用可能な場合もあるので、ご検討ください。

 

キノコの凍結方法

実はきのこは凍結するとうま味と栄養価が増すと言われています。実はきのこは生の状態ではほとんどうま味成分を感じることが出来ず、凍結することでそのうま味や成分が増加して、生きのこと凍結きのこを比較すると、旨味や栄養価が約3倍に増えているというデータもあるそうです。ただし、エリンギやブナシメジなどコリっとした食感は凍結することによって、特有の食感が多少失われてしまいます。
凍結方法としては、エアブラスト方式でも、包装してブライン方式でも問題ありません。
ただし解凍する際は、うま味が逃げてしまう可能性があるので、凍結状態でそのまま加熱調理をするのがおすすめです。
「凍結」イコール「保存」というイメージが強いですが、凍結することで起こる食材の変化により、旨味や栄養価がUPする事例もありますので、凍結を調理工程の一つとして考えることもできるのではないでしょうか。

最後に

今回は凍結技術をご紹介しましたが、凍結機を選ぶ際には、食材に合わせた凍結試験を実施することをおすすめします。フクシマガリレイでは全国8か所にテストキッチンを設けており、冷却、凍結、解凍に関する食材試験や厨房機器活用セミナーなどを行っておりますので、ぜひお問い合わせください。

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