さまざまな解凍方法、その違いとは?

食品をおいしく、長期的に保管する方法ために必要なのが“冷凍”の工程です。一方、保管しておいた食材・食品を冷凍前に近い味・栄養素のまま再現するためには“解凍”の工程も大切になります。そして、解凍にはいくつかの種類があり、それぞれに特性があるのです。今回は解凍の種類を解説します。
代表的な3つの解凍方法とは?
解凍にはいくつかの方法がありますが、今回は代表的な方法のうち3つを紹介します。それぞれがどんなものか、概要は次のとおりです。
「自然解凍」:食材や食品を室温で解凍する方法。冷蔵庫解凍に比べると、比較的早く解凍できる。季節によって部屋の温度が変わるため、品質の管理には気をつけなければいけない
「冷蔵庫解凍」:食材や食品を冷蔵庫の中で解凍する方法。低温で解凍する方法なので、3つの中では一番時間がかかる解凍方法である。しかし、ゆっくりと解凍するため、ドリップは出づらく、衛生的で味を守りやすい。品質管理が難しい食材・食品は、この解凍方法を選ぶのがベストなことも多い
「流水解凍」:食材や食品を包装したままポリ袋に入れて、水を張った容器に浸して解凍する方法。他の解凍方法より短時間で解凍できる。うまみや栄養素が流出しやすいことが難点。大量に大きなものを解凍する際などに効率的
3つの解凍方法は、それぞれ解凍に要する時間も特性も違います。食材や食品の特性によって、どの解凍方法がベストかを考え、使い分けることが必要です。
それぞれの解凍方法に適した食材とは?
それぞれの解凍方法が、どんな食材・食品に向いているのかをまとめてみました。
「自然解凍」:すでに加熱調理をしていて、常温で置いておいても品質劣化のおそれが少ない食品に適している
「冷蔵庫解凍」:冷凍の際に緩慢冷凍(食品を凍結する際、食品の中心温度がマイナス5℃~マイナス1℃の最大氷結晶温度帯に30分以上とどまって食品を冷凍すること)をしている食材・食品は、すでに細胞が一部破壊されてしまっている可能性があるため、ゆっくり冷蔵庫解凍をするのが適している。また、生ものやスポンジケーキなどの解凍にも向いている。
「流水解凍」:しっかり急速凍結(食品を凍結する際、マイナス30℃以下の低温の冷気を強く吹きつけ、30分以内のできるだけ短時間にマイナス5℃~マイナス1℃の最大氷結晶温度帯を通過して凍結させること)をした肉や魚に適している。加熱調理や味付けをした調理品の解凍に向く一方で、生ものの解凍には向いていない。
どの解凍方法が適しているかは、「どのように凍結をしたか」によっても変わります。そのため、状況に応じて、最適な解凍方法を見分けることが大切です。
食材・食品ごとに最適な解凍方法を選べる「解凍機」が便利
しかし、都度食材・食品ごとに解凍方法を使い分けるのは、管理の手間も増えてなかなか大変です。そこで、おすすめなのがフクシマガリレイの「ステップ運転機能付き解凍庫」です。
2段階の温度設定ができるので、食材へのダメージを抑えながら短時間での解凍が可能です。また、解凍機の中は上下2室に別れており、それぞれ温度設定が可能なので、別の食材・食品を同時に解凍するなど用途に合わせて活用できます。
さまざまな種類の食材・食品を大量に解凍しなければいけない場合でも、解凍専用機があれば効率的で安心です。ぜひお気軽にお問い合わせください。