串かつ凡「ミシュラン」一つ星の味を支える厨房環境

海外進出のベースになるモデル店をOPEN

関西の食の聖地「北新地」で、高級串を専門に提供している「串かつ　凡（ぼん）」。フォアグラを使った創作串や、黒毛和牛ヘレ肉のシャトーブリアンなど、量より質を重視する大人のための串かつ店です。

そもそも、北新地という立地を選んだのは、フランス・パリへの進出を見越してのこと。パリの飲食店は、来店ピークが21時前後と遅く、既にオープンさせていた大阪の石橋、十三、塚本の系列店とは、客席回転率がまったく異なるものでした。そこで、パリでも通用するハイクオリティな高級串かつ店のモデルを作るため、北新地での出店に至ったのです。

仕入れ先は、大阪でも指折りの鮮魚卸「川崎水産」。惜しげもなく高級食材を使用する反面、原点である「食材の持ち味を活かすこと」に注力。北新地に相応しい店の雰囲気や味を追求し続けた結果、「ミシュランガイド京都・大阪・神戸2011」に一つ星店として掲載されるなど、急成長を遂げました。

「串かつを世界に――」創業時に掲げた夢を実現

創業から7年、ミシュランの星獲得が弾みになり、念願であったパリ出店が決定。成功への手応えは掴めていたものの、出店準備で見えてきたのが、厨房機器への大きな不安でした。高級食材だからこそ、保管をする冷蔵庫は店の命ともいえます。

創業以来、厨房機器を調達していた先はフクシマガリレイ。冷蔵庫の他にも、RO水生成装置やワインセラーなど一式を導入いただいており、陰ながらミシュランの一つ星店を支えてきました。特にRO水は「純水」や「ピュアウォーター」とも呼ばれ、味の邪魔をする不純物を排除し、素材本来の旨みや香りを引き出してくれます。そのため、炊飯やダシ、スープ、ドリンクにも重宝されるなど、お客様からも「美味しい」と高い評価を獲得していました。

しかしパリでは基準が異なることから、日本製の厨房機器を持っていくことができず、現地調達を余儀なくされたのです。希望する薄型冷蔵庫もなかなか見つからず、機器の調達は難航を極めました。改めて、今まで安心して料理に打ち込める環境をつくってもらえていたのだと気付いたそうです。

本場パリの技術を東京へ逆輸入

パリ出店が現実のものとなり、次なるビジョンとして描いているのは東京進出。ただ大阪から東京へ進出するのではなく、パリで得た経験を“付加価値”として、東京へ逆輸入しようと考えています。

たとえばワイン。日本での仕入れ先は酒屋ですが、パリでは生産者から直接仕入れるため、味やこだわりなどを直に聞くことができます。食材においても、市場などで現地調達をする過程で、新メニューのアイディアが掴めるはずです。

東京進出の一方で、串かつのネット販売も計画中。店舗では、席数や営業時間が限られているため、より多くのお客様に楽しんでいただけるよう店舗とネット販売の二軸展開を検討しています。このように、それぞれのお店が、自分たちの描く夢を追い求められるよう、飲食店にとっての当たり前である、新鮮、美味しさ、衛生管理を提供することがフクシマガリレイの使命です。一番身近にいるサポーターとして寄り添っていきます。