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改正・食品衛生法、
見直された7つのポイントを解説

改正・食品衛生法、見直された7つのポイントを解説

2018年6月、食品衛生法が15年ぶりに改正、公布されました。衛生管理手法「HACCP」の制度化を筆頭に、大きく7つのポイントで見直しが行われています。この法改正によって、具体的に何がどのように変わるのかを紹介します。

そもそも「食品衛生法」とは?

食品衛生法とは、食品汚染や食中毒などを防止し食品の安全性を確保するために、1947年に定められた法律です。食品を提供するスーパーマーケットなどの小売店や、食事を提供する飲食店、食品に関わる添加物や容器包装を扱う企業など、食品業界の事業者全体が対象とされています。

なぜ改正するのか?

食品衛生法が前回改正されたのは2003年。BSE問題などが発生し食品の安全性が疑われていた頃で、対策を打つべく改正されました。それ以来15年ぶりの改正が行われることになった背景には、いくつかの理由があります。

  • 環境やライフスタイルの変化
    世帯構造の変化や女性の社会進出により、加工食品や家庭外で調理された食品を購入したり、配達をとったりして家で食べる「中食」のニーズが高まっています。また、健康志向の高まりも見られるようになってきました。
  • 多発する食の問題
    食中毒事故や異物混入は後を絶ちません。また、健康食品による被害も報告されています。こうした問題があることで、食の安心・安全への意識は高まっています。
  • 2020東京オリンピックに向けて
    日本の食品事業者の衛生管理手法は、国際標準からまだまだ遅れをとっている部分もあります。2020年には東京オリンピック・パラリンピック開催も控えているため、この機会に日本の食の安全基準を国際基準に押し上げようという狙いもあります。

食品衛生法改正、7つのポイント

今回の食品衛生法の改正点は、大きく7つのポイントにまとめられます。それぞれの改正内容を見ていきましょう。

  1. 域的な食中毒事案への対策強化
    国と地方自治体間での情報共有や連携を強化し、食中毒の感染源の早期発見・対応にさらに力を入れることが決まりました。これは、2017年に関東を中心に発生した腸管出血性大腸菌O-157食中毒事件などを踏まえてのものです。
  2. HACCP(ハサップ)に沿った衛生管理の制度化
    世界的に導入が進められている食品衛生管理システム「HACCP(ハサップ)」の制度化も決まりました。HACCPとは、食の安全性を確保する衛生管理のこと。原材料の受け入れから製品になるまで(食事提供をするまで)の各工程において、あらかじめ「微生物による汚染」や「金属の混入」などの危害を予測し、危害防止のために管理すべきポイントを継続的に監視します。食品事故防止や事故発生時の早期原因究明にも役立つため、今や国際標準となっていますが、日本においては中小規模事業者を中心にまだ導入が進んでいない実態があり、制度化に踏み切られました。2020年6月までに施行され、施行後1年間は経過措置がとられます。
    HACCPの導入は簡単でなく、事業者にとって煩雑ではありますが、食品衛生のレベルアップや食品事故防止に貢献するためにも、しっかり取り掛かりましょう。
  3. 特別の注意を必要とする成分等を含む健康被害情報
    健康食品のうち、特別に注意が必要な成分を含む食品について、健康被害が起こったときに、事業者から行政へ届出を行うことも義務化されました。被害情報を収集することで、摂取した場合に起こりうる健康被害のリスクを国民に正しく届け、被害拡大を防ぐ狙いがあります。近年、サプリメントなどによる健康被害の相談が増えていることから、新設されました。
  4. 国際整合的な食品用器具・容器包装の衛生規制の整備
    これまで、食品用の器具や容器包装は、禁止された物質でなければどのようなものでも使用できる「ネガティブリスト制度」で運用されていました。今回の改正では、安全性が担保された物質のみを使用できる「ポジティブリスト制度」へ変更になりました。食品衛生においては、食品だけでなく調理や販売の際に用いられる容器や包装も考慮すべきという流れになっています。
  5. 業許可制度の見直し、営業届出制度の創設
    HACCP の制度化に伴い、これまで営業許可が必要ではなかった事業者(漬物製造業、水産加工品製造業といった、自治体独自で許可制度を設けているもの)も営業の届出もしくは許可が必要になりました。この制度を創設することで、都道府県は各地域にどのような食品事業者がいるのかを把握できるようになり、事業者への衛生管理・指導をより徹底的に実施することができるようになります。 加えて、既存の業種の方々も見直しの可能性があります。複数業種を取られている方は、業種が統合される計画もありますので、必ずご自身の業種にてご確認ください。
  6. 食品リコール情報の報告制度の創設
    事業者が製造・輸入を行った食品について、自主回収(リコール)を行う場合には国に報告する制度が設けられました。報告の義務化により、リコール情報の透明化が図れるようになります。また、リコール情報は厚生労働省のWebサイトにまとめられることが予定していて、消費者がそのページにアクセスすれば現在リコール対象となっている商品が一目で確認できるようになります。被害拡大を防ぐ目的の元、創設されました。
  7. 入食品の安全性確保・食品輸出事務の法定化
    食品を輸入する際に、HACCP による衛生管理や乳製品等の衛生証明書の添付を必要とすることが決まりました。これまでは輸入時の検査が対策の中心でしたが、HACCPの制度化に伴い、よりしっかりと輸入食品の安全性確保を行っていきます。一方、食品輸出にあたっては、輸出先国の衛生要件を満たすことを示すために、国 ・ 自治体における衛生証明書の発行などの事務手続きを必ず行うことも定められました。

改正点を知って適切な対応を

改正点を見ると、食品衛生において課題であった部分に向き合っており、今後これまで以上に食の安全性が問われることが想像できます。食品関連事業に携わる方にとっては負担が増すこともあるかもしれませんが、食の安全性確保のためにも、食品衛生法の改正内容を知って、取り組みをしっかりと進めていきましょう。


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