「クックフリーズ」とは?

「新調理システム」の調理・保存法の一つに、「クックフリーズ」があります。簡単にご説明すると、加熱調理が終わった食材を急速凍結して提供時に再加熱するというものです。「クックチル」との比較も含めて、「クックフリーズ」について解説します。
クックフリーズの定義とクックチルとの違い
「クックフリーズ」とは、加熱調理後30分以内に凍結を開始し、90分以内に中心温度−5℃以下まで、最終的には−18℃まで急速凍結して、冷凍保存しておき、食事を提供するタイミングで再加熱する調理法です。同じ新調理システムの調理法である「クックチル」は冷却して冷蔵保存する手法、「クックフリーズ」は凍結して冷凍保存する手法です。クックチルで保存しておける期間は、一次加熱をした日から提供する日を含めて5日間。一方で、クックフリーズで保存しておける期間は、食品のタイプによっても異なりますが、最大8週間です。
冷凍保存のメリット
クックフリーズ、そしてクックチルに共通する特徴は、冷却(0〜3℃まで冷却)または冷凍(−18℃以下)により、加熱調理と提供を完全に分離できることです。
加熱後の食品は、危険温度帯を短時間に通過させ、細菌が増殖しづらい温度帯で冷凍または冷蔵保存させるため、細菌増殖の危険性が低くなります。そのため事前調理が可能となり、加熱調理と提供を分離させることができるのです。また、クックフリーズでは最大で8週間の保存が可能であるため、クックチルよりさらに長い期間での計画生産が出来るようになります。
保存期間が長いクックフリーズはクックチルとの併用がおすすめ
実は、クックチル発祥の欧州において、合理化の方法として当初使われ始めた方法はクックチルではなくクックフリーズでした。しかし、野菜などは冷凍による組織破壊のために、食感や美味しさが損なわれやすいということで、やがてクックチルが定着していったという背景があります。とはいえ現在では、凍結技術も進み、冷凍しても美味しさが変わらない食材も増えてきました。そのような食材に関しては、保存できる期間の長いクックフリーズが採用されるなど、クックフリーズとクックチルが併用されることも多くなっています。食材の特徴などによって使い分けて運用することで、より効率的かつ効果的に計画生産をしていくことが出来るようになります。