夏本番の前に!業務用冷蔵庫の衛生点検のススメ
食中毒が多発しやすい夏場。あなたのお店では、十分な対策ができていますか?
温度対策しているつもり、冷やしているつもり…
そうした“つもり対策”を防ぐための4つのポイントを解説します。
1. パーツごとの隠れた汚れ
不特定多数のスタッフが触れている冷蔵庫の「取っ手」。手袋をしている人、していない人、調理中の人、そうでない人、さまざまな状態の手が開閉をしています。取っ手の汚れは気づきにくいため、念入りな清掃が必要です。
また、カビの発生しやすい冷蔵庫の「パッキン」、忘れがちな「フィルター」の清掃・除菌も欠かせません。特に冷蔵庫のフィルターは、庫内の温度調節機能にも影響を与えます。こまめな清掃を心掛けることで、節電効果も期待できます。
2. ダンボールの持ち込み
仕入れた食材をダンボールごと、冷蔵庫の中に入れていませんか?これは絶対にやってはいけないNG行為の一つです。配送中にそのダンボールがどのような扱いを受けてきたのか…考えただけでもゾッとしますよね。
ダンボールには、開閉の際の紙くず、ホッチキスの破片、ダンボール片などの細かい粉塵はもちろん、細菌も付着しています。そのため、ダンボールのままで冷蔵庫に入れてしまうことは、異物混入にも直結します。
そればかりではなく、箱のままでは食材はうまく冷えません。時間がない、すぐに冷やしたい、と思うなら、まずはダンボールから取り出して保管しましょう。更にステンレストレーなど別容器に移すと最適です。
3. 温度管理
多くの飲食店では、冷蔵庫に入れていることで、冷やしている“つもり”になっています。温度表示はこまめにチェックすることが大切です。普段から確認する癖をつけることで、「FL」などのエラーの表示にもいち早く気付くことができ、トラブルを最小限に抑えることができます。
また、食材の詰め過ぎは冷えない原因になります。冷風を循環させるためにも、容量は70%以下にとどめましょう。冷気の通り道を塞がないためにも、内側の壁に食材が着かない配慮も必要になります。
4. 庫内は区分保管
魚、肉、野菜、調理済み食材など、冷蔵庫内では、区分保管をすることが基本です。カット済みや加熱済みの食材と肉や魚介類などが、同じ棚に混在して保管をされていると、相互汚染のリスクが高まります。
加熱済・殺菌済の食材は一番上の棚へ、菌の発生リスクが高い肉や魚介類、土のついている野菜などは、冷蔵庫の下の方に保存をすると良いでしょう。
更に肉や魚を保存する際には、バットに入れてラップをするか、包むことで、汁や血が垂れるのを防ぐことができます。また、他の食材に付着しないよう下段へ入れるのがベターです。野菜などのむき出しのまま保管をする食材にも、細菌が付着していることが多いため、こちらもなるべく下の棚に保管しましょう。