食品衛生管理について聞いてみた!第2弾「食品衛生の3原則『つけない』のポイント」

今改めて振り返っておきたい食品衛生の基本から、これからの時期気をつけなければならないノロウイルス対策まで、〝食品衛生のプロフェッショナル〟であるサラヤ株式会社の砂川様にお話を伺うこの企画。
第2弾は、食品衛生の3原則「菌をつけない」のポイントについてです。
前回、「食品衛生の3原則」について教えていただきました。食中毒を予防するためには「菌をつけない」「菌を増やさない」「菌をやっつける」の3つが大事だということでしたが、今回は「つけない」について教えていただけますか?

「つけない」は、食品に有害な細菌や異物が付かないよう清潔にしておきましょうということです。食品衛生の3原則において一番重要と言ってもいい項目です。
これが一番重要!しっかり勉強させていただきます。ちなみに、細菌などはどのようにして食品に付着するのですか?

調理器具や人の手指を介して付着することがあります。
それぞれはどのようにして予防や対処をすることができますか?

まず調理器具ですが、調理時に汚れた調理器具を使用すると、汚れが食品に移ってしまいます。汚れの中に潜んでいる有害な細菌が調理器具を介して食品を汚染するのです。こういったこと事を防ぐために、使用する調理器具を清潔に保つことが重要です。「洗って、拭いて、殺菌消毒」の3ステップで洗浄殺菌を行いましょう。
「洗って、拭いて、殺菌消毒」。語呂も良くて覚えやすいですね。

調理器具はきっちり洗剤で汚れを取って洗い流し、ペーパータオルやカウンタークロスで水気を拭き取ってから、最後にアルコールスプレーを行う必要があります。
前回教えていただいた、「衛生的手洗い」と同じステップですね。

その通りです。同様に、人の手指を介して微生物が付着することを防ぐためには、厨房で作業に従事する方の徹底した衛生的手洗いが必要になります。
手順としては、
①「洗う」(洗い残しの多い指先・指の間・親指の周りも忘れずに)
②「拭く」(清潔なペーパータオルなどでしっかり水気を拭き取る)
③「消毒する」(アルコールを両手全体にすり込む)
という手順になります。
石けんでの手洗いは多くの方ができているのではないかと思いますが、アルコール消毒も必要ですか?

石けんである程度の菌は落せますが、やはり100%とは言えません。それに、人によっては洗いムラができてしまうこともあります。そのため石鹸と流水による手洗いだけでなく、その後のアルコール消毒まで行うことが重要です。
わかりました。流水ですすいだ後に消毒をするのではなく、しっかり水気を拭き取った後に消毒を行った方がいいんですよね?

はい、水分が残った状態でアルコールスプレーをすると、アルコールが水で薄まってしまいます。これは人の手指だけでなく調理器具も同じです。たとえば、水分が付着した状態のまな板にアルコールスプレーしても、表面に水の膜ができているため、まな板自体にアルコールが浸透しない状態になります。こういったことを防ぐためにも、しっかり水分を拭き取ってください。