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事例・インタビュー

【前編】HAL YAMASHITAのシェフが語る、
「これからの食と安全 食品関連における事業展開」

【前編】HAL YAMASHITAのシェフが語る、 「これからの食と安全 食品関連における事業展開」

コロナ禍で、人々の食への向き合い方が大きく変わりました。営業時間の制限が外食の機会減少にも繋がり、多くの飲食店は苦しい状況に立たされています。「ただ、食の美味しさや安全性が求められていることはずっと変わっていません」と話すのは、和食レストランHAL YAMASHITA東京などを展開し、食関連のさまざまな取り組みに積極的に参画している、株式会社ウォーターマークの代表取締役社長・山下春幸様です。本記事は、フクシマガリレイが運営するオープンイノベーション拠点「MILAB」主催で2022年3月17日に開かれたセミナーでの、山下様の講演「これからの食と安全 食品関連における事業展開」から、内容を抜粋して掲載いたします。

目 次

 シェフでありながら、レストラン関連の仕事は約3割

 美味しく安全な食を学び広げるため、さまざまな取り組みに注力

 「食のIT化」で美味しさ・安全・安心をさらに確かなものへ

 “未来を拓く”食のイノベーション拠点MILAB

シェフでありながら、レストラン関連の仕事は約3割

私たち株式会社ウォーターマークは、2005年の創業以来レストランおよび飲食店の経営や食に関わるさまざまな事業を展開してきました。「ウォーターマーク」には「紙の透かし」という意味があります。お札に透かしが入っているように、私たちも「本物を追求したい」という信念を持ってこの社名にしました。

飲食店展開としては、東京ミッドタウン内でHAL YAMASHITA東京 という和食レストランを展開しています。大阪の店舗は、コロナ禍の影響を受けて残念ながら閉店してしまいましたが、アメリカなど海外でも店舗展開を行っています。

もともと、私はアメリカでシェフとして修行を積み、「自分のお店を持ちたい」という思いで独立しました。しかし、現在はレストランでの仕事が30%ほどで、それ以外の食に関連する仕事が70%ほどを占めています。

美味しく安全な食を学び広げるため、さまざまな取り組みに注力

1.安全な食を追求すべく、視察と研究

「フリーレンジ」を学びに、オーストラリアの養鶏場に行きました。日本において、にわとりは「ケージ飼い」と呼ばれる飼育方法が当たり前になっています。一方、海外では「フリーレンジ(=放し飼い)」スタイルが広がっています。鶏舎の中に水やエサを置いて放し飼いを行い、1ヵ月ほどが経つと鶏舎をクレーンで数十メートル横の土地に移動させるというものです。すると、にわとりたちはまた、日当たりが良くて草が生えたふかふかの新しい住みかで暮らせるわけです。フンも地面に返ります。そして、ストレスの少ない環境で育ったにわとりからは、安全性が高く美味しい卵が生まれるのです。このような飼育方法について、学びに行きました。

2.生産者との意見交換

食材の調理や提供を担当する私たちシェフは、食材の出口担当です。しかし、日本では食材の味や品質について、シェフから生産者の方々にフィードバックを行う機会が少ないものです。そのため、生産者の方々も「自分の作っている野菜はおいしいのだろうか」、「葉の硬さはこれでいいのだろうか」と思いながら、日々手探りで農業をされています。こうした状況を打破しようと、私はこれまで20年以上、青森県のりんご農家さんなどさまざまな生産者の方々にフィードバックを行ってきました。

3.シェフへの指導・アドバイス

青森県のシェフの方々に、青森県産の食材を使った最適な調理方法を提案しています。青森県は食材がとても豊かですが、料理に使われる塩分濃度が高いことから、「だしのうま味を活かして減塩しよう」と「だし活」に力を入れています。私は、だしを活かした薄味の味付けが主流である関西の食文化の中で育ったため、そこで培ったレシピや調理法を青森のシェフたちにお伝えすることで、地産地消や地域の方々の健康に繋げるための活動もしています。

4.海外に和食や日本文化を広げる活動

現在、東京以外にシンガポールやアメリカのナパバレーでお店を展開しています。なぜワインの産地であるナパバレーでお店を始めたかというと、お酒を嗜む文化のある地に日本酒を持って行こうと思ったからです。私は神戸出身であり、神戸の灘も日本酒の産地として有名ですが、日本では日本酒離れが進み、酒蔵もどんどん減少しています。日本の歴史文化を繋ぎ止めるために、自分に何ができるだろうかと考えた時、アメリカの酒の聖地で日本酒を提供してみようというアイデアが浮かびました。実際、ナパバレーのレストランのお客様は、喜んで日本酒を楽しんでくださっています。

和食の魅力をどんどん海外へ伝えていこうと、実はカナダのバンクーバー、南アフリカのケープタウン、オーストラリアへと店舗展開を考えていました。しかし、新型コロナウイルス感染拡大の影響を受け、海外事業はいったんストップしています。私自身、コロナ禍以前は年間150~180日も海外で仕事をしていましたが、この2年半はまったく海外へ行っていません。当然、事業面で大きな打撃を受けましたし、海外展開の有無かかわらず、私たちと同じように小さな規模のお店を営んでいる飲食業の方にとっては苦しい期間が続いているかと思います。

「食のIT化」で美味しさ・安全・安心をさらに確かなものへ

コロナ禍において、お客様の食べ方や食の楽しみ方も大きく変わりました。私たちのレストランでも、ランチ営業はほぼ満員と盛況であるものの、単価の高いディナー営業が壊滅的に近い状況です。「夜に外食をして、お酒を飲むことが後ろめたい」と思う方もおそらく多いのでしょう。多くの企業様が会食を控えられていることの影響も受けています。こうした状況下で、食に携わっている私たちは何をすべきだろうと考えました。

キーワードは「食のIT化」です。コロナ禍の影響を受けて人々の「食」への観点が変化しています。しかし、「美味しさ」「安全」「安心」だけは、どの時代においても変わらず食に求められていることであり、その要求も高まっています。オックスフォード大学の教授らがAIやロボットによって奪われる仕事と奪われない仕事を定義しましたが、食に関する仕事は将来無くならない仕事として分類されていました。ただ、そのためにはITをうまく活用して、「自動化」「電子化」「開発」を進めながら、時代に適応していく必要があると思うのです。

たとえば、有機野菜を詰めた箱にセンサーを入れて、産地からレストランに到着するまでの温度や鮮度を、リアルタイムでスマートフォンに通知し、管理できるようにしようという技術が開発されています。こうした食のIT化が進むことによって、食の美味しさや安全性や安心感の向上にも繋がるのです。

日本は、食の美味しさや安全性や安心感にものすごく敏感な国だと思っています。以前、当社がシンガポールで展開するお店で使う野菜を、隣国のマレーシアで生産していました。すると、直射日光が強いこともあって、葉の硬いレタスが出来上がったのです。「これでは硬いよね」と現地のメンバーに伝えると、「ちゃんとレタスができているじゃないか」という返答がありました。

もし日本の生産者の方々に同じようなことを伝えたとしたら、きっと「もっと葉の薄いレタスを作る必要がありそうだ」、「ただ、薄くするとみずみずしさが失われてしまう。どうすれば両立できるだろうか」と考え、改良していくことでしょう。作る人も食べる人も、食の美味しさ・安全・安心を求める素晴らしい国民性がありますし、結果として日本は世界有数の「食」安全国になっています。この日本の素晴らしい食を、あらゆるコンテンツを使って届けていくためにも、当社は「食の世界でのトレンドリーダーポジション」となって、食のIT化を中心とした新たな取り組みをどんどん進めています。

“未来を拓く”食のイノベーション拠点MILAB

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