いまさら聞けない ブラストチラーの使い方
調理では加熱工程に注目してしまいがちですが、食品の安全や品質をキープするためには「冷却」の工程も重要です。そこで活躍するのが、菌の増殖しやすい温度帯をすばやく通過させ、安全性を確保しながら冷却を行う「ブラストチラー」です。大量調理現場から飲食店まで幅広く使われている、ブラストチラーについて紹介します。
■ ブラストチラーとは
■ 3つのモードと3つの制御
■ 予冷モードの使い方
■ ショックフリーズモードで芯温運転
■ 最後に
ブラストチラーとは
ブラストチラーは粗熱とり・急速冷却・急速凍結するための機器です。加熱したての熱々の食品を入れることができるので、湯気と一緒に逃してしまっていた水分・香り・色などを封じ込め、できたてのおいしさをキープします。
冷やすというと冷凍冷蔵庫を使用している方もいらっしゃるかもしれませんが、冷凍冷蔵庫は、既に冷えている食材を保管するための機器です。なので「冷やす」「凍らせる」ために使用してしまうと機器に負担をかけてしまうことになります。
それに対して、ブラストチラーは「冷やす」「凍らせる」ための加工機器なのです。
新調理システムの普及によって、調理した食事を冷却・凍結し、冷凍冷蔵庫で保存する計画生産を行うことも多くなりました。ブラストチラーを活用することで、冷却行程においても最適な温度管理のもとで調理を行うことができ、食品の安全性・美味しさ・品質のアップを図ることが出来ます。
3つのモードと3つの制御
フクシマガリレイのブラストチラーには3つのモードと、3つの運転制御方式があります。
モード
1.予冷:効率よく冷却する為にあらかじめ庫内を冷やす
2.チル:急速冷却や粗熱取りに使用する
3.ショックフリーズ:最大-40℃の冷風で食品を急速凍結
運転制御方式
1.芯温制御
2.冷風制御
3.タイマー制御
このそれぞれのモードと運転制御方式を組み合わせて、熱々の食品を「冷やす」「凍らせる」運転をします。
予冷モードの使い方
食品を冷却する前準備として、庫内をあらかじめ冷やしておくことです。オーブンやグリルの庫内を調理したい温度まで温めておく「予熱」の冷やすパターンです。
予冷を行うことで、食材を入れた際の庫内温度上昇を抑えて、よりスピーディに食品を冷却/凍結できるようになります。
①予冷ボタンを押す
②△ボタンで冷風温度(庫内温度)を設定する
③設定/決定ボタンを押す
④スタートボタンを押して、予冷を開始する
予冷が完了すると、ブザーが鳴って教えてくれます。ストップボタンを軽く押すと音が止まり、保冷運転に切り替わります。
ショックフリーズモードで芯温運転
ブラストチラーに装備されている芯温計を食材の中心に刺し、設定温度に到達するまで凍結します。凍結完了時に食材から芯温計が抜けやすくなるよう、芯温計にはヒーターが内蔵されています。(一部オプションの機器があります)
①予冷した庫内に、熱々の食品を入れる
②芯温計とコードをアルコールで除菌する
③芯温計の先端が食品の中心に来るように刺す
④ショックフリーズボタンを押す
⑤最初に△ボタンで【芯温】を選択し、設定/決定ボタンを押す
温度を設定できるようになるので、△ボタンで設定し、設定/決定ボタンを押す。
⑥自動的に【冷風】の温度に移動するので、△ボタンで冷風温度(庫内温度)を設定し、設定/決定ボタンを押す。
⑦風速ボタンを押して、風速を設定し、設定/決定ボタンを押す
風速はAUTOもしくは弱/中/強の3段階から選択可能です。
⑧決定後、スタートボタンを押すと運転が開始します
風速は食品に合わせて調整してください。
弱:風に舞いそうな粉や軽い食品
強:冷却スピードを上げたい
最後に
ブラストチラーにはほかにも急速冷却や粗熱取りに使用できる【チルモード】や時間を設定して冷却できる【タイマー制御】があります。フクシマガリレイではブラストチラーを始め機械の使い方もご紹介しています。機器をつかいこなすことで、安全で効率のよい調理にもつながります。ぜひお気軽にお問い合わせください。