グッドデザイン賞受賞!コンパクトインショーケース 開発者インタビュー
今回当社の【コンパクトインショーケース】が2023年度グッドデザイン賞を受賞しました。コンパクトインショーケースは奥行465mmと、カウンターの下や非冷のゴンドラの中に設置できるスリムサイズのショーケースです。受賞までの経緯を開発者に聞きました。
冷蔵⾷品販売の新たな可能性を拓くショーケース
受賞デザインが生まれたきっかけ
冷蔵と常温の関連する商品を組み合わせて、陳列・販売するクロスマーチャンクロスダイジングができる小型の冷蔵ショーケースを実現できないか、というアイデアが営業と開発のミーティングで話題になりました。現在当社で開発している冷凍機内蔵型のショーケースをそのままゴンドラやカウアンターの下に設置してしまうと、排熱の向きの関係で周りの常温商品に影響が出てしまう懸念がありました。
しかしそのような場所に設置可能なケースが有れば、従来のスーパーマーケットや百貨店などの食品を取り扱う店舗に限らず、雑貨店や書店など幅広いジャンルの商品店舗でも冷蔵食品の販売が可能になると考え開発をスタートしました。
どんなデザインを目指したか
従来のショーケース(MEシリーズ)のデザインを踏襲しながらも、ゴンドラとの一体感あるシンプルデザインにすることを目指しました。デザイン面では正面から側板と本体の境目が見えないようにして、機械室パネルのパンチングを六角形にするなど細部にこだわりシンプルながら機械らしくないデザインを採用しました。機能面では、多様な場所に設置されることを想定し、冷却や周囲商品に影響が出ないような排熱構造が重要と考え、ショーケース後方上向き排気から前方排気にすることで什器内への設置を可能としました。
さらに少し細かいですが、ガラス面の結露予防として、ガラスの下側から風(排熱の一部)を吹かせることで、製品の左右に非冷什器や壁がある場合でも空気が停留しないように工夫しました。デザインと機能を両立させるために何度も社内で検討会を実施したのは大変でしたが、そのおかげで満足できる製品ができたと思います。
今後の目標
このコンパクトインケースは当社の冷凍機内蔵型ショーケースの中では最小サイズとなり新しい売り場提案になり得ると考えています。マーケティングによって最適な商品を近くに陳列して商品に新しい価値を付与したり、お客様の購買意欲を喚起できるショーケースです。例えばアウトドアショップではキャンプに使う食材、雑貨ストアでは日用品と組み合わせた販売、書店では地域の特集と特産品の組み合わせや読書のお供になるお菓子やドリンクの販売など、活用シーンを考えるとワクワクします。今後は環境への配慮や省エネ性はもちろん、製品開発を通して新しい価値や市場を生み出すような製品開発をしたいと考えています。
コンパクトインショーケースの特長
- 食品とのクロスマーチャンダイジングに
ゴンドラ什器内への設置が可能なコンパクトなサイズの100V冷蔵ショーケースなので、店舗のゴンドラ什器に合わせることによってさまざまな場所に設置が可能になりました。 - 様々な売り場の条件を考慮した吸排気/冷熱技術
前面排気構造なので、壁にピッタリつけて設置が可能です。また周囲の商品への排熱の影響を防止します。 - 排水蒸発装置付き
排水蒸発装置付きなので、排水設備は不要です。ただし設置環境により排水量が増えることがあるので温度計が「FUL」表示した場合には、排水処理皿に溜まった排水の処理を行ってください。
グッドデザイン賞受賞のポイント
想定される店舗のレイアウト展開に合わせてサイズをコンパクトに設計し、内外観の機能を細部まで改良したことで、これまで設置できなかった場所で冷蔵製品を陳列、販売できるようになっており、見た目だけではなく店舗の売上げにも貢献するデザインとなっている。また、利用時に発生する熱を結露防止として利用できるレイアウトに設計している点も、環境や省エネを考慮しており、外観だけでなく総合的に優れたデザインである。