ガリレイエアテック省エネ大賞受賞！スーパーマーケットの店内環境を改善する「ガリレイエアテックシステム」とは【後編】

新型コロナウイルスの感染拡大により、換気の重要性が改めて注目されていますが、実はこれまで店舗設計において換気設備の優先順位は低かったのです。いわゆる、換気扇を付けて室内の空気を外に放出するという、一番コストの掛からない設備が導入されていました。これは、室内の空気が放出されると同量の空気が入ってくるため空気の入れ替えができるという理屈ですが、このように店舗内の圧力が低くなって外から空気が入りやすくなる状態のことを「負圧」といいます。これは、「陽圧」の対義語です。

たとえば夏の暑い日には、店内を涼しくした冷たい空気が放出され、代わりに外から高温でものすごく湿度の高い空気が入ってきてしまいます。加えて、外気が店内に入ってくる際には、ホコリや虫などが空気に混ざって入ってきてしまう可能性もあるため、店内がホコリっぽくなったり不衛生になってしまったりします。

一方で店舗の「陽圧化」とは、店内の気圧を高くすることで外気が入りにくい状態を作り、店内の空気が外に逃げていくような設計にすることです。ガリレイエアテックシステムでは陽圧化に成功したため、快適で衛生的な店内環境づくりができるようになりました。

除湿に特化したデシカントという設備を導入することによって、適切な温度と湿度を保った空気を店内に供給しています。

店内必要換気量以上の空気を給気することにより、店舗内の圧力が高めになるように設計しています。デシカントで外気をしっかり処理してフレッシュで湿度を落とした快適な空気を店内に給気できるので、エアコンやショーケースの負荷を下げることで省エネになり、更に快適な環境が実現出来ています。

そうですね。ちなみに、デシカントの除湿には再生可能エネルギーを採用しています。どういうことかと言うと、冷凍冷蔵ショーケースは、冷却のために交換した熱を室外機から排熱しています。その捨てられる熱を回収してデシカントの除湿再生に活かしています。非常にエコな仕組みになっています。

「PMV（=Predicted Mean Vote）」とは「快適性評価指標」のことで、人がどれくらい快適かを、温度・湿度・放射・気流・活動量・着衣量の6つの要素から算出する国際規格です。ガリレイエアテックシステムは、このPMVに基づいた自動空調制御を業界で初めて実現していますIoT技術とAI技術を活用し、自動的に省エネで快適になるような制御を各設備に行うシステムを導入しています。これまでは、各店舗が個人の感覚でエアコンの温度の上げ下げをしていましたが、その手間も無くすことができます。

滋賀と鹿児島に2店舗導入しました。既に導入して1年以上経過しておりますが、システム導入店舗においては、同規模の他の店舗に比べて大幅な省エネを実現しております。また、課題であった、結露やカビの問題も発生しなくなり、とても快適な環境が実現できています。特に滋賀では、琵琶湖があることも影響していたのか、デシカントの効果が顕著にみられました。店内が陽圧化されているため、外からホコリなどが入ってくることもほとんど無く、ショーケースの吸込口の汚れなどが全然目立ちません。衛生的な売り場環境を維持することができています。

ガリレイエアテックシステムを導入した2店舗ともで、従来の店舗に比べて夏場の店舗消費電力量を20%以上削減することに成功しました。金額では、年間で400万円近くのコストダウンを実現できています。

「近隣店舗に比べて、お客様一人あたりの購入金額が大きい」という声を伺っています。つまり、お客様が目的買い以外に店舗をじっくり回遊して、ついで買いをされていると予測しています。これも、ガリレイエアテックシステムが創造できる「新しい顧客価値」と呼べると思います。

2店舗での取り組みで期待以上の成果が出たため、このガリレイエアテックシステムを、全国のスーパーマーケットに導入して行きたいと考えています。更に、既存店にもガリレイエアテックシステムを導入できるようなしくみづくりを進めているところです。

現在、スーパーマーケットでは新型コロナウイルスの3密を避けるため、換気を今まで以上に行っています。そうすると店内環境はより管理が難しくなり、省エネにも快適性にも悪影響を及ぼすことは避けられません。新型コロナウイルス感染リスクを低減するために、国もスーパーマーケットに対して「高機能換気設備」の補助金を出して導入を勧めています。

外気を処理してフレッシュで快適な空気を給気してしっかり換気を行う、このガリレイエアテックシステムは、まさに高機能換気が実現できていると言えます。ガリレイエアテックシステムは、新型コロナウイルス感染拡大防止にも役立つ可能性の高いシステムだと考えています。