食品衛生管理について聞いてみた!第1弾「厨房における衛生管理の基本」

食品の衛生管理は、大切だと思っていても「これで正しいの?」「本当のところはどうなの?」と迷ってしまうことがあります。そこで、家庭用及び業務用洗浄剤・衛生用品の製造販売や、食品衛生のコンサルティングを手掛ける、〝食品衛生のプロフェッショナル〟サラヤ株式会社の砂川様に、食品衛生管理の基本やノロウイルス対策についてお話を伺いました。
第1弾は、「厨房における衛生管理の基本」についてです。
食品衛生管理全般についてお話を伺いたいのですが、まずは「厨房で意識しておきたい食品衛生管理の基本」について教えてください。

厨房における衛生管理の大きな目的は、品質の良い食品を提供するため、そして食品事故を起こさないためです。出荷・提供した食品・食事により食中毒が発生してしまうと大変ですし、社会的信用も失われます。こういった事態を防ぐために、厨房の衛生管理が必要なのです。
食中毒は怖いですよね。

食中毒というと夏場に多いイメージがあるかもしれませんが、実際は年間通じて発生しています。春から夏場にかけてはO-157に代表されるような細菌性食中毒、また冬場はノロウイルスに代表されるウイルス性食中毒が起こりやすくなります。
では、そういった感染症を防ぐために厨房では何ができますか?

実施してほしい対策は大きく2つあります。1つは食中毒予防の3原則の遵守、もう1つは手洗いの徹底です。
詳しい内容については後ほど教えていただきたいと思うのですが、まず食中毒予防の3原則とはなんですか?

食中毒の原因となるような細菌を「つけない」「増やさない」「やっつける」の3つです。食品に菌がつかないよう清潔を心がけ、食品についた菌が増えないように迅速な調理・提供と冷却を行い、食品は中心温度が75℃1分間以上加熱することを、しっかり守りましょうということです。これらを守ると、食中毒が起きる危険性が減ってきます。
なるほど。「つけない」「増やさない」「やっつける」とは覚えやすいですね。では、もう1つの手洗いについて教えてください。手洗いというと基本中の基本かと思うのですが、正しい手洗いの方法などがあるのでしょうか?

普段、家庭で行っているような日常手洗いではなく、食品を取り扱う方々には石鹸液と流水による手洗い後にアルコール消毒まで行う「衛生的手洗い」を徹底していただきたいです。①洗って、②拭いて、③消毒するという3段階を守ることが大事です。
なるほど。食中毒予防の3原則と衛生的手洗いの徹底が、非常に大事なのですね。

ただ、同じ食中毒でも細菌によるものとノロウイルスによるものとでは特徴が違います。ノロウイルスはヒトの腸管内で増殖するため、少量でも人の体内に入ってしまうと食中毒が発生してしまいます。こうしたノロウイルスならではの対処法や、先ほど簡単にご紹介した食中毒予防の3原則についての詳しい解説もこれからさせていただきますね。

よろしくお願いします!