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飲食店における、
HACCP導入の流れとポイントを解説

飲食店における、HACCP導入の流れとポイントを解説

2018年6月、食品衛生法が改正され、HACCPの制度化が決まりました。原則としてすべての飲食店で、「HACCPに基づく衛生管理」もしくは「HACCPの考え方を取り入れた衛生管理」が課されることになります。とはいえ、どのようにHACCPの導入を進めていけばいいのかわからず焦っている方も多いのではないでしょうか。そこで、今回は飲食店におけるHACCP導入の流れとポイントを紹介します。

1.まずは衛生管理計画の策定から

HACCPを導入して効果的に運用するために、重要な前提条件となるのが「一般的衛生管理」です。一般的衛生管理とは、飲食店が普段から取り組むべきである、原材料の受入確認や冷蔵庫等の温度管理、調理場やそこで働く従業員の衛生管理や調理器具の洗浄・殺菌などのことを指します。

まずは、日頃から調理場で行っている一般的衛生管理を振り返りながら、「いつ・どのように行うのか」「問題が起こったときはどのように対処するのか」という軸で衛生管理計画をまとめていきましょう。

  • 例1:「原材料の受入の確認」の場合
    いつ:原材料の納入時
    どのように:外観、におい、包装の状態、表示(期限、保存方法)を確認する
    問題があったとき:返品し、交換する
  • 例2:「衛生的な手洗いの実施」の場合
    いつ:トイレの後、調理施設に入る前、盛り付けの前、作業内容変更時、生肉や生魚などを扱った後、金銭をさわった後、清掃を行った後
    どのように:衛生的な手洗い(※)を行う
    問題があったとき:作業中に従業員が必要なタイミングで手を洗っていないことを確認した場合には、すぐに手洗いを行わせる
    ※「衛生的な手洗い」とは、外から付着した病原微生物を物理的に洗い流し、除去すること。基本的に「石けん→流水ですすぐ→乾燥→アルコール噴霧」という手順で行う。

こうして、項目ごとに整理していくことで、それぞれの作業のなかで何に気を付ければいいのかが明らかになってきます。これが第1ステップです。

2.重要管理ポイントと対策を決めよう

次に、重要管理ポイントを定め、想定できる危害要因への対策を決定します。なぜ重要管理ポイントを決めなければならないかというと、「調理の過程で、食中毒を引き起こす有害な微生物が増殖しやすい温度帯があるから」です。

まずは自分たちが提供しているメニューを、調理工程ごとに下記の3つのグループに分類しましょう。

  1. 加熱しない料理
  2. 加熱して提供する料理
  3. 加熱調理後冷却し再加熱、または、加熱後冷却する料理

分類が終わったら、それぞれ「どのような危害要因があるか」を分析しましょう。

【想定できる危害要因】

  • 加熱しない料理
    加熱調理工程がないため、食材に付着している有害な微生物を殺菌することができない。
  • 加熱して提供する料理
    鶏肉などの食肉は有害な微生物に汚染されている可能性がある。
  • 加熱調理後冷却し再加熱、または、加熱後冷却する料理
    加熱調理したものを長時間室温に置いておくと、加熱しても食品に残っていたり、加熱後に付着したりしてしまった有害な微生物が増えてしまい、食中毒の原因となる。

危害要因が分析できたら、それぞれへの対応策を考えます。

【危害要因への対応策】

  • 加熱しない料理
    加熱して殺菌できないため、まずは汚染されていない食材を使用することが重要。可能なものは十分に洗浄し、冷蔵庫にて低温(10℃以下)で保管することで有害な微生物の増殖を防ぐ。
  • 加熱して提供する料理
    鶏肉などの食肉は十分な加熱を行う。食肉などに存在している多くの有害な微生物は75℃で 1分間以上加熱すると死滅するため、中心部までしっかりと火を通す。また、加熱調理後、盛り付けるときに手指や調理器具を介して食品を汚染させないように注意する。
  • 加熱調理後冷却し再加熱、または、加熱後冷却する料理
    加熱後に保管する場合は、60℃以上で保管するか、もしくは危険温度帯(10~60℃)に長く留まらないように、素早く冷却する。

さらにメニューごとに細分化すると「非加熱の刺身や冷奴は、冷蔵庫から取り出したらすぐに提供する。冷蔵庫の温度はこまめにチェックする。」、「加熱するハンバーグは、火の強さや時間、肉汁、見た目、中心部の温度等をチェックする。」など、対応策が具体的に決まっていきます。

こうして重要管理ポイントと対策が決定できたら、次はこれらをチェック表にまとめて、計画にあわせて実践し、記録していくことになります。

3.継続的な記録を大切に

HACCP導入の〝肝〟とも言えるのが、「モニタリングを行う」という作業です。それに伴い、「適切にモニタリングを行っています」という証明のための、記録作業が必要になります。記録していくことで、食中毒など有事の際に早急な原因究明ができて、迅速に問題解決ができるのです。

記録は、単純作業です。しかし、「冷蔵庫の温度チェック」と簡単に言っても、忙しいなかで毎日継続していくことや、パートさんやアルバイトさんたちにも周知・徹底させることは大変ですよね。

「人が作業し、記録をして、保管をする」というサイクルはずっと続くため、現場の負担を軽減させるために、通信技術を活用して「自動化できるものは自動化させる」という選択肢も検討してみてください。(フクシマガリレイでも、温度管理システム「HACCPマスターV3」を提供しています。)

これまでの衛生管理を見直し、ステップに沿ってHACCP導入を進めよう

HACCP義務化にあたり、何をすべきかわからず漠然とした不安を抱えている方がいるかもしれません。しかし、飲食店がすべきなのは、「これまで行ってきた衛生管理を振り返り、見直し、体系的にまとめて、しっかりと管理・記録していく」というシンプルな作業です。安全・安心な料理を提供するためにも、ステップに沿ってHACCP導入を進めてみてください。


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