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今知りたい!「冷却・凍結技術」
~新規事業立ち上げで役立つ冷やす力~

今知りたい!「冷却・凍結技術」 ~新規事業立ち上げで役立つ冷やす力~

「コロナ禍でもお店の味を楽しみたい」というニーズに対応すべく、テイクアウトやデリバリー、冷凍食品のEC販売などに対応している飲食店が多くあります。しかしその際には、店舗での提供時以上に食品の安全管理や品質管理が重要になります。
本記事は、フクシマガリレイが運営するオープンイノベーション拠点「MILAB」主催で2022年3月17日に開かれたセミナーでの、MILABフーズコンサルタント室・神谷の講演「今知りたい!『冷却・凍結技術』~新規事業立ち上げで役立つ冷やす力~」から、内容を抜粋して掲載いたします。

目 次

 テイクアウトや冷凍食品等、新たな事業を始める際の注意点

 安全・品質の向上に役立つ技術

 MILABを商品開発の拠点に!

 厨房機器に関する領域をトータルサポート

テイクアウトや冷凍食品等、新たな事業を始める際の注意点

店舗での提供が中心の飲食店が、新しくテイクアウトや冷凍食品販売を始める際には、まず《営業届》について確認が必要です。
店内で提供しているものと同じメニューを注文を受けてから調理し、すぐにテイクアウトやデリバリーで提供する場合には飲食店営業の許可内という事が認められています。ただし、調理場所と販売場所が異なる場合には認められず、生肉・生魚、麺など購入後に調理が必要な食品を販売する場合、さらに取扱い品目によっては、新たな営業許可や届出が必要なことがあります。
冷凍食品を製造して販売するには、冷凍食品製造許可が必要です。ただし、輸送や保管の便宜上冷凍するなど、冷凍食品に該当しない場合もあり、製造に必要なそうざい製造業や菓子製造業の許可があれば問題ありません。冷凍食品とテイクアウトは線引きが難しいため、詳細は必ず管轄の保健所に確認してください。

次に重要なのが、《衛生管理》です。
テイクアウト・デリバリーの場合、提供してから食べられるまでにどれくらい時間が経つのかが読めません。また、冷凍食品に解凍方法を記していても、お客様は加熱不十分の状態で食べてしまう可能性があります。テイクアウトや冷凍食品は食中毒発生のリスクが上がりやすいため、食品の安全管理により一層気を付ける必要があります。

何と言っても、衛生管理の基本である、菌をつけない・菌を増やさない・菌をやっつけるの「食中毒予防の3原則」を徹底して行いましょう。

食中毒予防の3原則

「菌をつけない」点では、手洗いの徹底、食材の洗浄・殺菌、調理器具等の洗浄・除菌によって、菌の付着や混入を防ぎます。盛り付けや、真空袋などで包装する場合は、清潔な器具と、清潔な場所で作業を行うよう心掛けましょう。
「菌を増やさない」点では、10℃以下または65℃以上で保管して菌の増殖を防ぐことが重要です。お客様へすみやかに食べていただくように呼び掛けることも重要です。
「菌をやっつける」点では、加熱前の食材に潜む菌を十分な加熱で殺菌することや、加熱調理しない食材には殺菌水などを利用して殺菌するよう心掛けましょう。使用する食材に存在しうる微生物や、その微生物の特性を理解し、適切な温度管理、衛生管理を行なうことが大切です。

安全・品質の向上に役立つ技術

冷凍食品の製造やテイクアウトを行うにあたり、急速凍結と急速冷却の技術を活用すると、品質が大きく向上します。

急速凍結とは、通過にもっとも時間の掛かる0℃から-5℃の温度帯を約30分以内に通過させる凍結方法のことです。一方、冷凍庫などでゆっくり時間を掛けて凍結することを緩慢凍結と呼びます。緩慢凍結と比べて急速凍結は、細胞の破壊を最小限に留められて、解凍後もできたての品質を保ち、見た目や舌触りや食感も守ります。

菌を増殖させないためには、菌が増殖しやすい10℃~65℃の温度帯に長時間さらさないようにすることが重要です。できたての料理をすぐに冷やし始め、急速冷却することで、危険温度帯を一気に通過し、菌の増殖を防ぐことができます。

急速凍結・急速冷却は、ブラストチラー1台で可能です。
ブラストチラーとは、加熱した食品の急速冷却・急速凍結・粗熱とりを行う機械で、出来立ての料理をアツアツのまま入れることができます。冷風で食材を冷却・凍結するため、食材の形態を選ばず、汎用性が高いことが特徴です。

急速凍結と急速冷却の技術を活用

ちなみに、ブラストチラーで急速冷却をすれば、栄養価の保持にも繋がります。ブロッコリーをスチコンで蒸した後、①流水で冷却した場合と、②ブラストチラーで冷却した場合でビタミンCの含有量を比較したところ、①は約半分に減っていたのに対し、②はほぼ変わらない含有量を保持していました。ビタミンCは水溶性であるため、流水で冷却すると、水に溶け出してしまいます。一方、ブラストチラーは冷風で冷却するため、ビタミンCを保持することができるのです。

MILABを商品開発の拠点に!

最後に、商品開発拠点としてフクシマガリレイ本社ビル内にあるオープンイノベーション施設「MILAB」を紹介します。

MILABには最新の厨房機器が揃っており、試作や食材試験などが実施できます。MILAB内にある食品研究室には、食の衛生管理や品質を科学的に評価するための分析機器を設置しています。
たとえば、冷凍食品やチルド食品を作るにあたり、自社内での検査を検討している方に向けて、食品自主検査導入に向けたプランニングを行っています。また、電子顕微鏡・実体顕微鏡で食品組織の微細構造を観察できたり、料理の硬さや粘度を測定できるレオメーターという機械も利用できたりします。

料理の味を識別して数値化する、味認識装置も設置しています。これは、酸味、渋味、塩味、旨味などを数値化して、おいしさを客観的に評価する装置です。人が食べて感じる「おいしい」は、見た目・香り・温度・年齢・気分などさまざまな要素から構成されますが、分析機器を用いた客観的評価を合わせることで、より正確な評価ができ、品質管理に役立てられます。

さらにシェアキッチン「ツカキチ」では、惣菜や冷凍食品などの製造が可能です。ぜひこうした機器や施設を活用して、商品開発にお役立てください。

シェアキッチン「ツカキチ」

厨房機器に関する領域をトータルサポート

ブラストチラーはラインナップが豊富で、飲食店から給食施設・工場まで幅広く導入いただいています。100V電源で使用できるコンパクトなブラストチラー/ショックフリーザーも昨年発売し、「狭い厨房でも急速凍結を行える」と大変好評です。

今回はブラストチラーをメインでご紹介しましたが、他にもさまざまな凍結機があります。凍結機を選ぶに際には、凍結試験の実施をおすすめします。
比較試験を行う際には、調理後の日数や、凍結開始時から終了までの温度を統一し、可能であれば凍結完了までの温度記録を取ると、正確な比較が可能になります。扱う食品に適しているか、店舗や施設に導入可能なサイズであるか、機器の価格や清掃性など、さまざまな要素を踏まえて適切な機器を選ぶことが重要です。

私たちフクシマガリレイのフーズコンサルタント室は、冷却、凍結、解凍に関する食材試験、厨房機器活用のセミナーやトレーニング、HACCP支援など、厨房機器に関する領域で幅広くお客様のサポートを行っています。食の衛生管理や商品開発にご興味のある方はぜひお気軽にお越しください。

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