ガリレイグループでは、脱炭素社会の実現を目指し、温室効果ガスの原因物質であるフロンガスの使用量削減、冷媒ガス漏洩防止に取り組んでいます。また、環境に配慮した企業であり続けるために、フロンガスを含む化学物質の使用量削減及び化学物資管理の強化に取り組んでいます。
2025年の新規製品・新規設備へ使用する冷媒はグリーン冷媒(低GWP冷媒、ノンフロン冷媒)への転換を通じ、温室効果ガス低減に取り組み、地球温暖化防⽌に貢献します。
『GWP』とは地球温暖化係数(Global Warming Potential)の略称です。二酸化炭素を1とした場合に比較対象の冷媒ガスの温暖化係数の数値がどれだけかを表します。例えば、一般的な冷凍冷蔵機器に使用される「R404A」というフロンガスの場合、温暖化係数はGWP3,920です。そのため大気に放出された場合、二酸化炭素の4,000倍弱の温室効果があることになります。
※冷媒の温暖化係数はGWP加重平均を示します。
2015年4月に施行されたフロン排出抑制法にあわせ、冷凍冷蔵ショーケースの冷媒ノンフロン化を実施しています。2015年2月にCO2冷媒冷凍機を採用したAxia-Zeroシステムを初導入してから、2023年9月までに累計で1万馬力(累計約1,500台)のCO2冷凍機を導入しました。
2022年には独自ブランドのCO2冷凍システム「NOBRAC」を開発。
冷凍機内蔵製品においては、2022年4月にノンフロンプラグインショーケース、同年11月にノンフロン薬用保冷庫をリリース。2023年10月には主力製品の業務用冷蔵庫もノンフロン冷媒R1234yfを採用し、冷蔵庫・冷凍庫計88機種をフロン機と併売で受注生産開始しました。
2024年末には冷蔵庫・冷凍庫のフルラインナップ化を予定しており、その後もすべての製品のノンフロン化を促進しています。
断熱材の発泡剤として使用されるフロンガスについては、製品の環境性能の向上を図るうえでの課題のひとつととらえ、技術革新を進めてきました。2016年に発泡剤にHFOを採用し、ノンフロン化した製氷機の生産を開始しました。2017年には、この断熱材のノンフロン化手法を業務用冷蔵庫、冷凍冷蔵ショーケースにも展開し、温室効果ガスの排出量削減を実現しています。さらに、2020年7月には、ガリレイグループすべての断熱発泡剤のノンフロンへの切り替えが完了しています。
2025年度製品・施工物件より冷媒漏洩による地球温暖化ゼロを目指します。
また、プレメンテナンスの拡充により、冷媒漏れ10年保証を目指します。
冷凍冷蔵機器や空調機器の冷媒として利用されているフロンガスは、大気中に放出されるとオゾン層を破壊したり、CO2よりはるかに大きな温室効果があることが知られています。そのため、2015年4月に施行された「フロン排出抑制法」にて、フロン利用機器の定期・簡易点検やフロン漏洩量などの報告が義務づけられています。当社では、冷媒ガス漏洩防止を経営の重要課題の一つとして、「ガス漏れ徹底削減会議」を立上げ、冷媒ガス漏洩防止の対策に力を入れています。
10年以内の製品・施工物件の 冷媒漏洩量63,503t(2022年度CO2換算実績)
製品の品質向上、プレメンテナンスの拡充により、2025年度製品・施工物件より冷媒漏れ10年保証開始
2035年には10年以内の製品・施工物件の冷媒漏洩量ゼロを目指します。
DXによる「Zero Call Company」※1の実現を目指し、2022年秋に刷新した社内システム「G-Compass」。お客様の店舗とフクシマガリレイが常にネットワーク上でつながり、稼働中の業務用冷蔵庫や冷蔵ショーケースなどの機器の状態を24時間体制でデータ管理し、万が一異常が発生した場合には、自動的に当社へ修理の手配が行われることで、お客様の機器トラブル時の連絡やその後の対応などの煩わしさから解放される世界の実現を目指します。万が一、機器が故障した場合も、G-Compassが予測した故障原因の情報を、派遣するフィールドエンジニアに伝え、必要な部品を持参して訪問することで、故障から復旧までのリードタイムを短縮しお客様の営業機会ロスを大幅に削減することが可能となります。
4G/LTE回線のSIMカードを内蔵し、単体で遠隔管理サービスの利用が可能。遠隔アップデートを通じて継続的に機能をアップグレードし、店舗の効率化を推進します。
「スマート診断」は、日本冷凍空調工業会標準規格である「業務用冷凍空調機器の常時監視によるフロン類の漏洩検知システムガイドライン(JRA GL-17)」に対応しています。冷媒漏洩を含むサイクル異常の兆候を検知し、早期に通知することで早期発見と措置に繋げることに貢献します。
生産活動の中で使用している主な化学物質である塗料・有機溶剤は、PRTR制度(Pollutant Release and Transfer Register)※の対象となっており、特定化学物質の現場管理と使用量の管理を行っています。
塗装工程において、ボイラー設備・前処理設備及び塗装吹付けブースから排出される廃液は「廃アルカリ」として産業廃棄物処理をしていましたが、これを削減する為、2010年10月に工場に廃アルカリ中和装置を導入し、ボイラー設備から出る廃アルカリを処理し、廃アルカリの削減へと繋げました。
この中和装置は、日常管理の中で点検しており、異常が出ると直ちに察知出来るよう監視体制を整えています。また、同じ塗装工程から出る「廃シンナー」に関しては、業者にて再生シンナーとして再生し、これを工場にて再使用しています。
これらの取り組みにより、2010年11月から塗装・有機溶剤の廃棄量“0”となりました。
今後も環境汚染防止に向けて、活動を推進していきます。
ガリレイグループでは、脱炭素社会の実現を目指し、より環境に配慮した製品をお客様にお届けするために環境性能の高い製品・サービスの開発提供を推進し、サプライチェーン全体で環境負荷の低減を図っていきます。
製品が環境へ与える負荷をライフサイクル全体で把握し、環境に配慮した製品を継続的に開発するため、主要な開発製品に対してLCA手法による環境影響評価を実施しています。自社の製品を新旧比較することで、製品・サービスの環境配慮設計の高度化に役立てています。
製品のライフサイクルにおいて環境性能の高い製品を提供しCO2削減に取り組み、 より環境負荷の少ない製品へ移行します。
製品のライフサイクルごとに環境影響を定量的に把握する LCA(ライフサイクルアセスメント)の手法を用いて、環境負荷算出に取り組んでいます。2021年度よりLCA算定の基盤整備に着手して、2022年度において当社製品 縦型冷蔵庫、冷凍機内蔵型ショーケースについて、 各々過年度製品含めて気候変動への影響を算定して、比較評価を行いました。
①製品のライフサイクル段階別の気候変動におけるインパクト評価
・市場流通(使用)段階のGHG排出量※が約84.4%を占めました
・製品製造段階のGHG排出量は合計で約15.5%を占めました
②部品点数の削減、使用時の省エネ性向上(消費電力削減)により新機種
(GRD-120EM)は、旧機種(ARD-120RM)に比べGHG排出量が約21%削減されました。
※ GHG:Green House Gasの略で、二酸化炭素やメタンなどの温室効果ガスの総称。
①製品のライフサイクル段階別の気候変動におけるインパクト評価
・市場流通(使用)段階のGHG排出量が約97%を占めました
・製品製造段階のGHG排出量は合計で約2.1%を占めました
②部品点数の削減、使用時の省エネ性向上(消費電力削減)により新機種
(AMC-61PGFTAXOR)は、旧機種(IMC-64PGFTAXR)に比べGHG
排出量が32%削減されました。
フクシマガリレイ製品の特徴は、冷蔵品・冷凍品の保存を機能としていることから常時通電をしているため使用時におけるGHG排出量が圧倒的に高く、製品使用時の消費電力低減に対する取り組みによりGHG排出量削減に大きく貢献できる事です。一方、原材料調達、製造、廃棄の段階についてはライフサイクル全体において占めるGHG排出量は相対的に小さいですが、すべての生産数の積み上げから見ると相当数量となり、今後もLCA評価を継続し、その結果を製品開発や事業活動に活かすことにより、ライフサイクルのあらゆる場面でのGHG排出量が抑制された環境性能の高い製品を開発・提供していきます。
ガリレイグループでは「資源有効利用の促進」を重点テーマの1つとして設定し、環境汚染防止や、水などの資源の使用量の削減に取り組み、製品の長寿命化や生産拠点から排出される廃棄物量の最少化、使用済み製品・部品のリサイクル拡大などに取り組んでいます。
生産工程では、水を大量に使用するプロセスはなく、間接冷却など限られた用途で水を使用しています。また、各工場は渇水などのリスクが低い地域に立地しており、各地の状況に応じて水道水・工業用水・地下水を適宜使用しています。排水は適切な処理をおこない、下水道および公共水域への排出をおこなっています。
金属作業屑やプラスチック材料作業屑などの歩留まり向上、製造工程での不良品削減活動、在庫管理などに積極的に取り組んだ結果、2022年度の廃棄物排出量は前年度原単位で5.3%減の1,186tとなりました。また、廃棄物の再利用率についても、廃棄物の分別、再利用の促進によって、80.0%以上を維持しています。引き続き、廃棄物の発生抑制を促進するとともに、再利用率の向上に努めていきます。
ガリレイグループでは、自然環境保全への対応を、持続可能な社会の実現のために取り組むべき重要なテーマと認識しています。「環境方針」のもと、中長期的な視点に基づく具体的な計画の実行によって「自然資本に与える負の影響ゼロ」を目指します。
サプライチェーン全体での廃棄物を削減する取り組みとして、一部を除く製品の梱包材を木枠から段ボールによる簡易梱包へと移行しています。梱包箇所は製品全体を覆わず、上部の保護と損傷率の高い製品下部のみとすることで、廃棄物を最小限に抑える工夫をしています。これにより、輸送重量が削減できるのみでなく、販売会社で開梱した際の処理がしやすいなどのメリットも生まれました。また、サプライヤーからの部品納入の際には通い箱を使用し、段ボールの使用量を削減しています。
ガリレイグループは、地球のいのちを守るべく、その源である自然の恵みを守り、維持する取り組みを推進します。
サステナブルビジョン「Dramatic Future 2050」を策定し、温室効果ガスの排出量実質ゼロに挑戦しています。そのアイコンとして多くの炭素を体内に蓄えることで地球温暖化抑制に貢献するクジラを採用しています。クジラを守りたい、そしてそれを育む海を守りたいという思いよりビーチクリーン活動をスタートし、2023年度より全国で海岸の自然環境保全活動を開始しました。今後もビーチクリーン活動を通して、全社で脱炭素社会の実現及び社会貢献、そして生物多様性保全に努めていきます。
2023年8月、⼤阪府が企業・団体と連携した⽣物多様性の保全を進めるため開始した「おおさか⽣物多様性応援宣⾔」登録制度に、「宣⾔」を登録しました。